- 社長BD企画 1日目 -

10/20 23:27


「何で俺がそわそわしてんだか…」
 バイト帰りの道をはや足で歩きながら、城之内は苦笑交じりに一人言ちた。
 このところ、彼の思考はとある事柄にその大半を占められている。
 四六時中とまではいかないが、少しでも時間が空いた時には必ず、それにばかり気がいってしまうのだ。

 即ち、数日後に控えたあの男の誕生日を、どう祝うかということについて。

 我ながら呆れた話ではあるが、どういったシチュエーションで祝いの文句を告げるか、プレゼントはいつ渡すか、それを受けたあの男がどんな顔を見せるのか―――考えただけで頬が緩んでしまうのだから仕方がない。
 そうして自覚なくにやにやと笑みを零してるだろう自分を嫌だとも感じない辺り、どうにも終わっているとは思うのだけれど。
 あぁ、浮かれているとも。言い繕うことも出来ないほどに。
 城之内は、とりあえず立ててみた明日の予定を脳裏に描き、鼻歌でも歌い出さんばかりの顔で足を進めた。
 跳ねるようなその歩調は、端から見ればさぞかし滑稽に映ったことだろう。
 だが今は人通りもない深夜。誰に気兼ねする必要もない。

「ぜってーぎゃふんと言わせてやっからな!」

 覚悟しろよ、とまた笑みを一つ。
 誕生日を祝うにしては些か物騒な台詞を夜空に響かせつつ、彼の足はどこまでも軽やかに歩を刻んでいた。


 to be continued...

社長BD企画/6日連続拍手更新
■ 2006.10.20 ■

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