後日談

「あれよぉ、わざわざ調べたのか?」
 再び一時帰国してきた海馬にそう問えば、いつもの調子でフン、と笑われる。
「そんなわけがあるか。犬の素性を調べるほど俺は暇じゃない」
「テメっ、また犬…!」
「貴様の妹は何か勘違いをしているらしいな」
「人の話を聞けよ! …って、え? 静香?」
 目を丸くする城之内に海馬は深々と溜息を吐き、
「俺のことまで貴様のオトモダチだと思っているらしい。一人で淋しがってるだろうから祝ってやってくれと、わざわざ国際電話を掛けてきた」
「し、静香…」
 城之内はガックリと肩を落とした。
 静香の前で―――いや、そうでなくとも、この男と友好的な会話をしたことなど一度もない筈だ。我が妹とは言え、相変わらず天然と言うか突拍子もないというか…。
「一般回線で掛けてきて、俺に取り次ぐまで粘ったらしい。なかなか強かな女だな。初対面より好印象だ」
「あぁ!? 静香は駄目だぞ! テメェなんかにゃやらねーからな!」
「…ほう?」
 言葉に、海馬の瞳がスッと眇まる。
 相変わらずの嘲笑がその口元に浮かび、城之内は思わずジリリと後退った。

「ならば貴様はどうだ?」
「ハ…?」

 顎に指を掛けられて、思わずピシっと硬直する。
「俺のものになる決心はついたか」
「なっ…、だっ、誰がテメェの…!」
 真っ赤になって言い募る城之内に、海馬はくつくつと喉を鳴らす。
「まあいい。春になったら別の首輪を買ってやる。それまではしっかりそれを巻いていろ」
「首輪!? ちょっと待て、これ首輪の代わりだったのかよ!?」
 慌ててマフラーを外そうとする仕草は何とも愉快だ。
「当然だ。野良と間違われては面倒だからな。ちゃんとKCのロゴもついているぞ。気付かなかったのか」
「ぎゃー! 返す! 返却!! 首輪なんて冗談じゃねー!」
「わはははは! 返却など誰が認めるか! 貧乏性の貴様には棄てる事も出来まい! 大人しく俺に飼われているがいい!」
「ぜってー嫌だ! このバカイバーーー!!!」





これもまた幸せ?








+ END +




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じゃれ愛。シリアスぶち壊しだぜ…!

■ 2003.03.31 ■


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